2006年02月03日

郊外型ショッピングセンターの規制

昨年12月20日、政府・与党が検討している都市計画法の改正案が明らかにされました。
これは、延べ床面積1万平方メートルを超える大型店舗の郊外進出を規制する内容のもので、郊外への店舗進出に歯止めをかけ、停滞する中心市街地の活性化を促す狙いです。

昨晩、ある報道番組を見ていましたら、この件について、「大愚挙か?」というタイトルでかなり批判的にコメントされておりました。
規制は出店競争に水を差し都市の衰退を招く、大規模商業施設の郊外出店は車社会なのだから当然、街づくりは政府が一方的に決めるのではなく消費者主権、住民参加でやるべき……、などの内容でした。
これらの論評は正論です。
おそらく、各地域ごとに住民投票をしたら、規制反対派が多数となるでしょう。

しかし、実はこの規制に私は賛成派なのです。
確かに地方都市は車社会となっており、郊外の広い場所に無料で車を停めることのできる駐車場付きの大型ショッピングセンターがあれば、多くの消費者にとって便利です。
ただし、それは健常者の理論、強者の理論なのではないでしょうか。
これまで、郊外への大型店舗進出を促進してきた地方都市では、行政の超高齢化社会に対する対応はどうだったのでしょうか。

多くの地方都市に共通している傾向として、郊外は新興住宅地が多く比較的年齢の若い人たちが居住しており、逆に駅前の古い市街地は平均年齢の高い住宅地となっている場合が多いようです。
駅前の商店が無くなったときに、車を運転できない高齢者や身障者はどこにへ買い物に行けば良いのでしょうか。
郊外の商業地まで往復する路線バスがあれば良いのですが、マイカー所有率の高い地方都市ではバス会社はほとんど採算が取れず、運行数は減る一方です。
また、郊外型の商業地は、広大なエリアに大きな駐車場に囲まれた店舗が点在していることが多く、郊外に居住している人たちにとってみても車を使用しなければショッピングをして回ることは難しい地域となっています。

日本人の平均寿命は世界トップクラスですが、医療費も世界トップクラスです。
病気がちで健康ではないお年寄りが、たくさん暮らしている国なのです。
また、車社会が正しいのかどうかという議論も必要です。郊外型店舗の発展と路線バスの衰退は、車社会化に拍車を掛け、資源の無駄遣い、地球環境の悪化にもつながります。
消費者主権、住民参加は正しいのですが、強い立場の消費者や住民だけの意見を聞き、現状だけを見て日本の将来を見据えた政策を怠るならば、日本は住みにくい社会になってしまう可能性があります。

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posted by Y.Takahiro at 00:44 | 東京 ☁ | Comment(5) | TrackBack(3) | 『世界』の章
この記事へのコメント
中心市街地の活性化の為に規制というのも、分からないでは無いですが、努力不足の感もあります。
九州の何処かだと思いましたが、山の中に24時間の大規模スーパーを作って成功している所の特集をTVで見た事があるのですが、そこはかなり努力していましたね。
バスを出して、自動車を運転できない方の送り迎えをしていました。
僕の住む地方でもそうですが、健康ランドなどは当然の如くこの様なサービスをやっています。
郊外型のショッピングセンターもこういったサービスをしたら良いでしょうね。
Posted by ののの at 2006年02月03日 01:54
なるほど高齢者のかたは郊外型は不便ですね、
しかし、地方の場合で申し訳ありませんが
駅前再開発でここ数年がらりとイメージチェンジしたのですが恐ろしいほど人がいません(-_-;)
総合病院が郊外に移転されてしまったのが原因ですが。
その病院に通院する高齢者の場合、
JRがすでに廃止されている町から中心部で乗り換えてバスで千円以上、
直接タクシーで行くと5千円かかってしまいます。(近所の人数人でワリカン)
中心部活性化より交通手段の整備をしてもらったほうがよかったりします。
あ、その病院に隣接してショッピングセンターが建設予定です。
Posted by poyopoyo at 2006年02月03日 02:47
皆様、早速にコメントありがとうございました。
都会では今もそうですが、一昔前までは、ショッピングと言えば、電車かバスで商業地へ向かい、歩いて街を回りながら楽しむものでした。
しかし、今の地方都市では、自家用車で店舗を一軒一軒回っていくのが普通です。
まず私が地方の人たちを見て驚いたことは、たったの300メートルを移動するために車を使う人が実に多いということ。都会ではありえないことです。
そのために、今は都会の人よりも地方の人の方が運動不足で、足腰が弱っているような気がします。
少子高齢化時代にあって、日本が足腰の弱い高齢者ばかりで若い人がいない社会になったらと考えると、私は車社会自体に問題を感じるのです。
Posted by Y.Takahiro at 2006年02月03日 10:23
なるほどそういう視点で考えれば規制も止む無しとも思います。しかし中心商店街の努力ももう少し必要なのではないでしょうか?
Posted by freedomfreedom at 2006年02月03日 23:58
駅前にあった大型店は郊外に移転し、個人事業の商店だけが残されるという構造。
そういう零細事業者が集まって何か新しいことをやる元気がある(資金がある)ところと、そうでないところがある。やはり、自力救済には限界がある。
Posted by thank at 2006年02月04日 00:42
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