2006年06月06日

株式会社による病院経営

「民間にできることは民間に」の小泉首相の理念のもと、株式会社による病院経営が解禁になりそうです。

株式会社参入によって、医療が金儲け本位になり、患者が所得によって差別されることにもつながりかねないという反対意見もあります。
確かに、ある面ではそのような危惧もあります。しかし、国営企業でもない限り利潤が出なければ経営の存続はありません。
そして現実を見た場合にも、経営者が営利を第一に考える傾向があるのは株式会社にしても医療法人にしても全く同様です。
過剰診療、医療ミスの隠蔽、医療報酬を稼げない長期入院患者が病院をたらい回しにされるなどの問題が、公営法人であるはずの現在の病院に多々発生しております。
医療法人の経営する病院において、医療が金儲けの道具にされてしまっていることは純然たる事実です。
むしろ私は、医業の分野にサービス業の経験とノウハウを持つ株式会社が参入し競走原理が持ち込まれることによって、顧客満足の重要性がクローズアップされ、病院経営の近代化が促進されてくるのではないかと思います。
そうであるとすれば、これからの医業経営には大革命が起こる可能性があります。

一般的に医療の世界では、患者に対する接遇やサービよりも、技術のレベルが重要視されます。人の命を扱うという職業の特性上、ある意味それは当然です。
しかしながら、現実問題としては医師の技術水準を素人が判断することはとても難しいので、患者は必ずしも医師の技術を判断して自分の掛かりつけ医を選んでいるわけではありません。
むしろ院内の雰囲気、受付や看護婦や医師の接遇、インフォームド・コンセントやアフターケアへの取り組みといったもののほうが口コミに影響し、経営を左右する場合が多いのです。
そのように考えると、これからはサービス業的な経営感覚が医業経営にも求められてくるのではないかと思います。
サービス業を知らない経営者のいる病院、顧客満足やサービスについて関心をもたない経営者のいる病院は、軒並み淘汰されていくことになるでしょう。
ことに組織論や接遇面から言えば、医者の世界の常識がサービス業の世界では非常識であると考えられている場合が多いのです。しかし、ドクター兼務の経営者で、このことに気づいていない方が大半です。

医業の近代化を進めるにあたっては、基本的には、技能職と経営管理職との職務の分業化、立場上のフラット化が必要です。
基本的には、経営管理職にはサービス業界の経験豊富な人材を登用し、その者に組織運営の権限を持たせるべきでしょう。
そして、技能職と経営管理職とは、それぞれに異なる内容の職務で法人運営の重要な役割を分担する者として、お互いに尊重し合える組織風土を作ることが重要です。
ただし、その際には組織の理念や将来ビジョン、夢を共有することが前提条件となります。

それでは、サービス業の高度なノウハウをもった株式会社が病院経営に参入してきたときに、これまでの病院がそれに対抗する手段として、具体的に何をすべきなのでしょうか。
私は、医療法人は、今こそ「公益」法人の原点に戻るべきではないかと思います。
公益法人は法人税が優遇されており、また株主配当がありません。したがって、その利益の一定率を社会事業に使うことによって、公益法人たる病院が地域社会から絶大なる支持を得られる可能性があるのではないでしょうか。
現に、ソーシャルワーカーを置いて健康や介護、生活資金に至るまで生活全般についての無料相談を行っている病院もあります。
また、小児科など採算性の薄い部門や僻地医療への積極的な取り組みなどの姿勢も必要でしょう。

参考サイト
「中小企業の顧客満足経営」
関連記事
「病院は過信できない」



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posted by Y.Takahiro at 01:17 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 『世界』の章
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