2006年07月07日

ミサイル発射

北朝鮮がミサイル発射。
世界に激震。

日本の至近距離にある独裁国家から打ち上げられた破壊兵器は、私たち日本人にとって間違いなく脅威です。
ただ、その一部はアメリカのハワイ諸島近海へ向けられたという説もあり、また、その日はアメリカの独立記念日でした。
北朝鮮が威嚇している相手は、日本ではなくアメリカなのではないかと考えることもできます。

物事は、両側から見る必要があります。

そもそも、太古の昔から、人間が狩猟以外の目的で武器を作る時の動機は、「恐怖」にありました。
至近距離にある我が国にとっては決して好ましいことではありませんが、今、もしアメリカが北朝鮮に宣戦を布告したとしたら、おそらく北朝鮮はあっという間に平定されてしまうでしょう。
人は、自分の身の危険を感じ、恐怖を感じる時、武器を作り、それを振りかざします。
それが国家的規模になると、兵器を開発し、相手に対して威嚇行為を図ることになるのです。

「敵国」と定義した相手を強大な軍事力で制圧し、自国の傘下に治めることが、アメリカなど「大国」と呼ばれる国々の昔からの対外政策でした。
歴史の中で、いや、この10年、20年だけを見た場合にも、北朝鮮がミサイルを発射した数と、アメリカがミサイルを発射した数とどちらが多かったでしょうか。
拉致被害者を明け渡さないことも、北朝鮮という国家体制が、また金日正という国家元首が、自己の身を守るための外交カードにすぎません。

かつてのアメリカにとって、最大の敵対すべき国家だったソビエト連邦が崩壊し、東西冷戦は無くなりました。
冷戦は、当時のアメリカにとって自国の軍事力を強化することを正当化するための理論となっていました。
ブッシュ政権は、イラク、イラン、北朝鮮の3カ国を「悪の枢軸」と呼び、これらの国々が大量破壊兵器を開発している、という理論によって自国の軍事力を強化してきました。
しかし、現在世界最大の大量破壊兵器を保有している国家がアメリカであることは明白です。

悪の枢軸と名指ししながら、アメリカはなぜイラクを攻撃して北朝鮮を攻撃しなかったのでしょうか。
もし、北朝鮮の脅威が無くなったとしたら、日本の外交は、今ほどアメリカに傾倒する必要はあるのでしょうか。
もし、北朝鮮の脅威が無くなったとしたら、日本はアメリカではなく、アジア寄りの外交政策を取るようになるかもしれません。
もし、アメリカの定義する「悪の枢軸」がすべて消滅したら、アメリカが今の軍事力を維持する正当性は残るのでしょうか。
アメリカは、巨大な軍需産業が政権と癒着している国家です。
すなわち、北朝鮮による脅威が存在することこそが、アメリカ自身の国家体制を持続させるために必要なことなのではないのでしょうか。

―人間は進歩なんかしていない。ぶつかり合うことこそが調和なのだ。(岡本太郎)―

外交の駆け引きによって、不気味な均衡を保っているのが、今の世界情勢なのです。
「脅威」を必要としている国家がある限り、世界から「脅威」は無くなりません。
「脅威」と名指しされた国家は、自分の身が危険に晒されている「恐怖」が衝動となり、敵対国家に対する威嚇行為を更に強めることになるでしょう。

人類は、駆け引きによる危ない均衡ではなく、精神の進歩による調和を生み出す必要があるのです。


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posted by Y.Takahiro at 23:58 | 東京 ☁ | Comment(1) | TrackBack(0) | 『世界』の章
この記事へのコメント
>物事は、両側から見る必要があります。

重い言葉です。
相手の立場に立って考えること、思いやりと言っても良いかも知れません。
そしてこれは人付き合いの基本でもあります。
人付き合いの基本を失念した外交がうまくいくはずがありません。
もっとも外交においては自国の利益を第一に考えるという常識(?)がありますから、そこに「相手の立場に立って…」とか言っても非現実的かも知れません。
そうだとしてもその指針を決する我々はそのことを忘れずにいたいものです。
国益ではなく人類全体の利益を考えなければなりません。(横文字を使えばグローバルな視点ということになります。)
これはキレイ事でなく極めて現実的にそう考えねば我々の未来は無いとそう思うのです。

管理人さんのお考えに共鳴しコメントを残させていただきます。
このブログを拝見できたことをうれしく思います。
だから
トラックバックありがとうございます。

これからもどうぞよろしくお願いします。
Posted by 山本(反骨心ブログ) at 2006年07月16日 11:03
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