2006年07月15日

朝鮮学校児童生徒への暴行多発―負のスパイラル

朝鮮学校の教職員が加盟する「在日本朝鮮人教職員同盟」(本部・東京都文京区)の中央常任委員会は14日、北朝鮮がミサイルを発射した5日から13日までに、朝鮮学校とそこに通う児童・生徒への暴行、脅迫などの事案が計112件あったと発表。
暴行は愛知県で2件、都内で1件、大阪府で1件。7日には、愛知朝鮮中高級学校の中級部2年の男子生徒が中年の男性に「死ね」と言われて殴られ、あごに2週間のけがをした。
goo ニュース

国家と国家との政治の駆け引きによるイザコザの中で、アメリカ側のものの見方で騒ぎ立てたマスコミに踊らされた一部の日本人が起こした愚かな行為です。


私は先日の日記に書いたように、7月5日の北朝鮮のミサイル発射実験は、日本を含む他の多くの国家が行っているミサイル実験や軍事演習と全く意味合いの変わらないものだと考えております。

北朝鮮の軍事演習が「悪」で、日本やアメリカの軍事演習が「善」であると考える、その善悪の根拠はどこにあるのでしょうか。
自国の防衛のためであり、戦争抑止力のためであるという主張は、お互いの主張であると思います。
それらの善悪の判断は、相手国に対する、好き、嫌いの感情から生じているものであり、主観の問題にすぎません。
日本の再軍事大国化を懸念する韓国や中国にとってみれば、日本の軍備こそが悪なのです。

今回の北朝鮮制裁決議案の交渉過程において、アメリカが中国案に傾きはじめました。
そのきっかけは、中国がイランに対する経済制裁を容認したためです。
北朝鮮のこととイランのこととは別問題のはずですが、アメリカは日本のことよりも自国の損得を優先して外交上の駆け引きをしているわけです。

現在、日本とアメリカが同盟を組んでいるのは、お互いにとって政治的な戦略上、必要性があるからそうしているだけなのであって、必ずしも相手を認め合っているわけではありません。
アメリカが対日外交に関して中国を説得する際の殺し文句は「中国がそんなことを考えると、日本は核兵器を開発するかもしれませんよ」という脅し文句なのだそうです。
すなわち、アメリカが中国に対して日本の脅威を煽っているわけです。

日本と友好関係を結んでいることにアメリカが政治的メリットを感じなくなった時には、アメリカは日本を見放すかもしれません。
また、アメリカがそのほうが自国の発展にとって有利だと判断した場合には、アメリカは中国や韓国と友好関係を結び、経済的にも軍事的にも日本を完全な孤立に追い込むかもしれません。
ことに食糧需給率の極端に低い日本が世界から孤立すれば、私たち日本人の未来に悲惨な現実が待っていることは、誰が考えても明らかです。
日本がこのような極限状態に置かれた時、軍事大国化という、いつか来た道を、わが国が再び歩むという可能性も現実味を帯びてきます。
そしてそのような状況になれば、アメリカは日本に「悪の枢軸」というレッテルを貼り、中韓と軍事同盟を結んで日本を包囲するでしょう。

ありえない仮説だと考える方が多いかと思いますが、ここ10年〜20年の間にも世界情勢は大きく変貌してきており、以上の仮説が全く可能性の無いことだとは、私は思いません。
このような最悪のシナリオを避けるためにも、日本は、まず自立の努力をすべきではないでしょうか。


あなたの思考の中に「悪」を想定し、その「悪」を憎めば憎むほど、その憎しみの感情は間違いなく相手に伝わっていきます。
「悪」のレッテルを貼られて自分が憎まれていると感じた相手は、あなたによって自分が破滅させられるのではないかという「恐怖」の感情を抱くようになります。
その「恐怖」の感情は、逆にあなたのことを「悪」であると思考するエネルギーとなり、強い憎しみの感情をあなたに返すことになるでしょう。
これが、「憎しみと恐怖のスパイラル」です。
このような感情的な対立が更に進むと武力の応酬となり、お互いを破滅させる道へ向かわせるのです。
破滅への道へ進むことを避けるためには、どちらかが精神的に大人になり、負のスパイラルを止めるしかありません。

一部の日本人が、在日北朝鮮人に悪のレッテルを貼って憎しみの感情を抱けば、それもまた「憎しみと恐怖のスパイラル」を発生させ、様々な不幸な現象を生み出しかねません。

個々の人間関係も、国と国との外交も、人類のコミュニケーションの多くは自己中心的な駆け引きによって行われてきました。
人類の不幸の歴史は、「自己」と「相手」とを分離して考えることによって生じてきたのです。
「自分だけ幸せになれればいい」というエゴイズムが、結果として、他人だけではなく自分や自分の愛する者を不幸に落としてしまうことが多いのです。

「北朝鮮」流も、「アメリカ」流も、正しい道ではありません。
人類は、自己中心的な駆け引きによる協調ではなく、精神の進歩による調和を創造する必要があるのです。


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posted by Y.Takahiro at 07:07 | 東京 ☀ | Comment(7) | TrackBack(1) | 『世界』の章
この記事へのコメント
「精神の進歩による調和」とは、Y.Takahiro さんが「陰陽の法則で人生を好転させる」の記事でおっしゃった「中庸の精神」=「世の中には色々な考え方、いろいろな哲学、いろいろな世界があるのだということを知り、それらすべてを受け入れた上で、自分を含めて皆が幸せになる方法を考えること」を基本とするものだと思います。私も同感ですが、世界平和の問題は、いつもその「方法論」にぶつかります。
Posted by 愛 at 2006年07月15日 10:35
愛さん、ありがとうございます。
―世界平和の問題は、いつもその「方法論」にぶつかります。
そうなんです。この部分は難題ですが、私たちはそろそろ真剣に考えなければいけないテーマだと思います。方法論の私なりの意見については、次の日記でまとめさせていただきたいと思います。
しかし、方法は一つだけではないと思いますし、より深く研究していく必要もあると思いますので、皆様からのご意見も求めたいと思います。
Posted by Y.Takahiro at 2006年07月15日 11:15
今日偶然、「ザ・インタープリター」という映画を見ました。
国連通訳が主人公で、テロリストに襲われそうになったり、シークレットサービスの保護を受けたり、ハラハラドキドキの面白い映画でした。
テーマは「拳銃で平和は築けるのか?」「国連は無意味か?」というところだったと思います。
言葉は時に拳銃より強い力をもつ、ただ、効力はじっくりとしか発揮できないが・・・信じて努力するしかない・・・
というメッセージを私はこの映画から受け取りました。

私は、言葉、外交の力を信じたいと思っています。
そして「北朝鮮」は言葉の通じない相手ではありません。
戦争は避けるということ、平和を希求することだけは、日本人として忘れたくありません。
Posted by てるちゃん at 2006年07月16日 00:00
本当に朝鮮学校の子どもたちへの危害などは本当に最低です。感情に流されず、あるべきソリューションに向けて最良の選択肢を選んで行きたいものです。
Posted by takeyan at 2006年07月16日 00:13
皆様、コメントありがとうございます。
実は、この事件について、在日朝鮮人のでっちあげであると決め付ける人達が一部におります。表示を承認しませんでしたが、今回、私のブログにもそのような投稿がありました。
しかし、日本に永住している朝鮮出身の方が、なぜ112件ものでっちあげ工作をしなければならないのでしょうか?
例えば私は東北出身で、今は栃木県に住んでおりますが、県外出身者111人と結託してでっちあげ工作をし、今自分が住んでいる栃木県民のことを誹謗中傷するような勇気は私にはとてもありません。
そのようなことは自分で自分の首を締めるだけのことではないでしょうか。
Posted by Y.Takahiro at 2006年07月16日 17:55
以前ハワイに旅行に行ったとき、現地の男性の老人から「ジャップ!お前なんか死んでしまえ!帰れ!」と罵られたことがあります。
その時、「私日本人なんだ」と改めて実感しました。
すごくショックでした。
彼は日本人に対する偏見からそう言ったのか、パールハーバー襲撃の恨みからそう言ったのかは、わかりません。
でも、国同士が行う戦争に、こうやって人間同士が傷付けあうことになることは確かなことです。
愚かなことです。
Posted by 52_52 at 2006年07月17日 11:46
普段生活していて、報道側の取材のいい加減さ、視聴率至上の番組作りに呆れる事が多々あります。
また、それらを見たり聞いたりする側も無条件に信じてしまっているという事に恐ろしさも感じています。
太平洋戦争当時の大本営発表が途中から出鱈目になっていった事は今だからこそ判っていますが、当時の多くはそんな事は疑いもしませんでした。報道を無条件に信じると言う恐ろしい事が引き起こす取り返しのつかない結果だけは避けたいものですね。
Posted by nkcountdown at 2006年07月18日 15:19
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朝鮮学校へいやがらせ 北朝鮮脅威論
Excerpt: こんなニュースがある。 朝鮮学校嫌がらせ112件 脅迫電話など、児童暴行も (共同通信) - goo ニュース 共同通信2006年 7月14日 (金) 19:38 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘..
Weblog: 反骨心ブログ
Tracked: 2006-07-16 11:06
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